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裏側に示された“スカイチャート”

これらに加えてケースバック側のダイアルからは、恒星時を読み取ることが可能だ。天空を描く回転ディスクの部分には、北半球から見える星座が描かれている。天空において基準点となる恒星を定めた場合、これに対して地球が360度完全に1回転するのに要する時間、つまり恒星時は23時間56分04秒となる。A. ランゲ&ゾーネ 時計地球は自転しながら太陽の周りを公転するため、設定した恒星に対して地球が出発点に戻る時間は約4分短くなる。



本作では、恒星時に合わせてスカイチャートのディスクが完全に1回転し、その外側で恒星時の時刻が示され、回転ディスクのさらに外周部には日付の目盛りが配されている。恒星時における日付は、5日間隔の数字を配した外周の固定フランジに沿って移動する、長いセンター針で示される。この針は黄道12宮、四季、分点(春分・秋分)、至点(夏至・冬至)に対応する、4つの日付表示も兼ねている。そして短い方の針は月齢、すなわち新月から経過した日数を表示する。

目を見張るべきはケースに施された装飾
 本作に採用された直径47mm、厚さ19.1mmの18Kピンクゴールド製ケースは、ルビーによる葡萄の実をふんだんにあしらった装飾が施されている。この写実的なモチーフに精彩を与える場面で彫金師の作業を補完するのは、ケースの外側にルビーをセットするジェムセッターの仕事だ。

 このケース装飾に取り組んだふたりの職人は交互に作業を進めたという。ジェムセッターは、まず彫金師ケースを受け取って石をセッティングし、次に彫金師のもとに戻し、彫金師が最終仕上げを行う。このような“デュエットスタイル”の作業は、300時間を超える両者の器用な手仕事が求められた。



ケースの装飾は、ベゼルや手作業で葡萄の葉を描いたケースバックへと続いた。このインタリオ技法を用いた彫金の難しさは、境界線や輪郭線をもたないこと。スーパーコピーブランド専門店ベゼルの幅いっぱいに彫り込まれたガーランド模様(花飾り模様)は、モチーフの規則的なリズムのおかげで存在感を発揮している。葡萄の葉のモチーフはまた、ストラップに付属するフォールディングバックルとピンバックルにも用いられ、その作業には約1週間を要した。

 ヴァシュロン・コンスタンタンは本作を通じ、複雑機構と贅沢な装飾を併せ持つ懐中時計の偉大な伝統を永続させたのだ。


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