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ロレックス 人気モデルの相場をチェック!GMTマスターII(126710BLNR / 126710BLRO / 126710GRNR)が新登場。

ロレックス 人気モデルの相場をチェック!GMTマスターII(126710BLNR / 126710BLRO / 126710GRNR)が新登場。

Follow Rolex 126710 New GMT Master II’s price.
定期的にチェックしている人気モデルの相場を追うシリーズから、GMTマスターII スティール製右利きモデル 126710 現行機3種をチェックしていきます。126720VTNRはまた次回。

ロレックス時計コピーNランク 代金引換を激安前回のチェックは3月でしたので、約4ヶ月ぶりとなります。今年の新カラーGRNRは初めてですね。

前回は3月、新作発表前でしたが当時はコークベゼルがリリースされるのではという噂でペプシベゼルが高騰中でしたね。ペプシに変わってコークになる可能性はゼロではなかったので相場は右肩上がり。もし生産終了モデルになってたら今頃大変だったでしょう。

バットマンと定価は同じなのに100万円も違いましたからね。

さて、現在のセカンドマーケットの相場を見ていきましょう。

126710BLRO PEPSI


1モデルめは、ペプシカラーの126710BLROのジュビリーブレスレットから。

ロングパワーリザーブの新世代ムーブメントキャリバー3285を搭載。

価格改定があり2024年1月から国内定価は1,426,700円から1,569,700円に。

いや~150万円を遂に超えてしまいましたね。

現行GMTマスターIIの中ではペプシ・ジュビリーがおそらく1番人気でしょう。

GRNRの物珍しさが無くなれば相場は安定的に1番上位にくると思われます。

価格ドットコムから現在の未使用の最安掲載価格は358万円!

前回3月が385万でしたので、え・・・だいぶ下がりましたね・・・???

と思ったら1番安価なのはかなり古い(2019年4月)未使用品でした。これを新品に掲載するのはちょっと迷惑ですね。

かめきちさんの388万円をベースに見てみると、前回と大きな差はありません。

グラフを見てみますと、3月ころから380万円前後をずっと上下していますね。1番高い時(2022年3月)は400万円を超してましたから、廃盤にならずに天井はこのあたりになっているのかも。

続いて2021年新作オイスターブレスレットです。

ジュビリーブレスレットよりやや定価と人気が低くなります。現在の国内定価(メーカー希望小売価格)は1,399,200円から1,540,000円に上がりました。

価格ドットコムから現在の未使用の最安掲載価格は345万円!

前回が367万でしたので、ちょっと下がっていますね。やはり生産終了モデルじゃなかったのが影響しているのかな。

グラフを見ると、僅かずつですが下がってきているのがわかります。

トケマーでは328万円から中古品が掲載中。

国内定価150万円からすれば充分高いですけど。

126710BLNR BATMAN


2モデルめは、1年遅れで追加ラインナップされた「2代目バットマン」ロレックス GMTマスターII 126710BLNRのジュビリーブレスレットから。その1年は旧型116710BLNRと新型が併売されていましたね。

現在の国内定価は1月に価格改定があり、1,426,700円から1,569,700円に。仕様が同じであればペプシもバットマンも価格は同じです。

旧モデル116710BLNRと見比べてみると少しスタイリッシュになっているのがわかりますか?

価格ドットコムの並行新品正規未使用最安掲載価格。

現在は304万円。

前回は269万円でしたので、ペプシとは異なり上がっています。

グラフを見たら非常に見づらいことになっていましたので・・・

期間を絞りました。

やはり前回チェック時より確実に上がっています。ロレックス全体で上がっていますのでその波に乗っているんですね。

中野ブロードウェイのかめきちさんには307万円から新品未使用品が掲載中。

旧タイプの保証書付き中古ですがトケマーには260万円から。今ならお安く感じます。

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同じく青黒バットマンのオイスターブレスレット。

2021年の新作です。私はバットマンならこちらの組み合わせの方が好きですよ。はい(個人的意見)。ペプシ同様に定価は1,540,000になりました。

現在の最安値は285万円。

前回は268万円でしたので、少し上がってきています。ジュビリーブレスレットとの価格差が少し広がりましたね。

グラフを見ますと、ジュビリーブレスレット同様右肩上がりの動きが続いています。

中野ブロードウェイのかめきちさんには新品未使用品が286万円から。

トケマーの未使用品263万円はお買い得かも。

126710GRNR


3モデルめは今年の新作 まだニックネームがわからない126710GRNRです。

ペプシやバットマンと同じ国内定価はジュビリーブレスレット仕様で1,569,700円です。

コークベゼルではなく昨年登場のGRNRが採用されると思いませんでした。

116170LNの後継モデル的なカラーリングですね。やはりグリーンの差し色が効いています。

こちらは2023年の126713GRNR。ゴールドが使われると雰囲気がだいぶ変わります。

価格ドットコムから新品未使用品の最安掲載価格は378万円。

新作なのでペプシより人気ですが1年も経てば順位はまた逆転するでしょう。

グラフはこんな感じ。大きくは下がっていませんね。ロレックス全体の相場が上がっていますので下がりきらないのでしょうか。

宝石広場さんに新品未使用品378万円が掲載中。

トケマーには未使用品が同額で出ています。

続いてこちら。

3連オイスターブレスレット仕様は1,540,000円。

116710LNとほぼ同じですね。

個人的にはGRNRもバットマンと同じでタフなオイスターブレスレットの方が好みです。ペプシはジュビリー、ロレゾールもジュビリーが良いのでCHNRも早くジュビリーが出て欲しいです。

価格ドットコムの新品未使用品最安掲載価格は349万円。

ジュビリーとけっこう差がありますね。

グラフを見ますとオイスターはけっこうな勢いでご祝儀価格から下降中。

中野ブロードウェイのジャックロードさんに新品未使用品が349万円で掲載中。

トケマーには同じような価格帯で未使用品がありました。

来年には、ペプシ>バットマン=GRNRの相場になると思っています。

グリーンのGMT針ブラザーズ。

まとめ


いかがでしょうか?

「2024年7月 ロレックス 人気モデルの相場をチェック!GMTマスターII(126710BLNR / 126710BLRO / 126710GRNR)」でした。

やはりまだGRNRは新作なので高い相場になっていました。ニックネームが気になりますねぇ。

GMTマスターIIもかなりのバリエーション数になってきて追うのも大変です。それでも正規店では買うのが非常に難しく、銀座レキシアではデイトナと並び入店特別枠が設けられるほど。

これでコークベゼルも追加されたらしばらくはGMTマスターIIの時代が続きそうです。

逆にディープシーやエクスプローラーIIなどはプロフェッショナルモデルですが買いやすくなるかも知れません。

それではまた!

ロレックス 人気モデルの相場をチェック!GMTマスターII レフティー 126720VTNRが新登場。

ロレックス 人気モデルの相場をチェック!GMTマスターII レフティー 126720VTNRが新登場。

Follow Rolex 126720 “Lefty” GMT Master II’s price.
定期的にチェックしている人気モデルの相場を追うシリーズから、2022年に登場した左利き用のGMTマスターII 126720VTNR をチェックしていきます。

人気のロレックススーパーコピー 代引き専門店ニックネームはスプライトで決まりましたかね?聞くのは「レフティー」の方が多いような気もします。

さて、前回のチェックは3月でしたので、約4ヶ月ぶりとなります。

こちらは前回チェック時のセカンドマーケット相場。

だいぶ落ち着いてきていたレフティ/スプライトですが、他のモデルたちは比較的上向きだったので現在の相場が気になります。

今年2024年には126710GRNR(黒灰ベゼル)がリリースされましたが、文字盤の配色はVTNRと同じでした。と、言うことはVTNR版の126710(右利き)はもう出ないんですね・・・非常に残念。

私は画像のような126710VTNRを期待していたのに。

気合でベゼル交換する猛者が出てくることを楽しみに待ちます(ただ単に見たいだけの人)。

それではチェックしていきましょう。

126720VTNR SPRITE


先に126720VTNR 5連ジュビリーブレスレット仕様から見ていきましょう。

現在の国内定価は今年の1月1日に価格改定があり1,494,900円から1,644,500円へ変更されました。

同じスティールケースのジュビリーブレスレットでもBLROやBLNR(1,569,700円)より割高になっています。

左利き用に特別な調整がなされたキャリバー3285ですが、スペックは他のGMTマスターIIと同等。

見慣れてくると大きな違和感はありません。未だに入手困難なのは何だかんだで格好いいからでしょう。

価格ドットコムの並行新品正規未使用最安掲載価格は320万円。

前回は289万円でしたので、だいぶ回復したように感じます。因みにバットマンのジュビリーが304万円でしたので、また差が出てきましたね。

前回チェック時が「底」のようですね。バウンドしてまたじわりじわり上がってきています。

私の予想ではバットマンと同等になると思っていたので、ちょっと意外でした。

プレミアムバリューさんで新品未使用品が318万円。

銀座ラシンさんで中古品が315万円。

トケマーには313万円の中古品が掲載されておりました。

どこも差はありませんが、どこも1本くらいは掲載していますね。

続いて3連オイスターブレスレット仕様の126720VTNRです。

現在の国内定価は1,467,400円から1,614,800円に変更されています。

このカラーリングもバットマン同様に、個人的にはオイスターブレスレット仕様の方が好みです。

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価格ドットコムの並行新品正規未使用最安掲載価格は299万円。

前回が285万円でしたので、ジュビリー同様に底を打って上がってきています。

グラフの動きもそっくり。

中野ブロードウェイのジャックロードさんには新品未使用品が305万円。

中野ブロードウェイのれんずさんには298万円の未使用品が。

トケマーにも未使用品が299万円で掲載中。前回は275万円でしたので25万円ちかく上がっちゃいましたよ。本当にセカンドマーケットで買うタイミングが難しい。

やはりこのカラーリングはオイスターの方が似合います。

グリーンのGMT針ブラザーズ。

まとめ


いかがでしょうか?

「2024年7月 ロレックス 人気モデルの相場をチェック!GMTマスターII レフティー 126720VTNR」でした。

いつもの定点観測でした。

ペプシ生産終了の話はどっかに吹っ飛んでペプシの二次流通価格も変化しています。新しい黒灰はまだ人気を維持していて、レフティーの話題はもうありません。

バットマン<レフティー<ペプシ<黒灰(2024新作)の順ですが、来年にはこれも変わりそうです。

皆さんはどのベゼルが好みでしょう?

それではまた!

IWC×ブラッド・ピット 映画『F1』限定モデルが新登場。

IWC x Brad Pitt Collaboration “F1” movie
来年夏公開予定の映画『F1』のスポンサーとなったIWC。

主演はブライトリングのアンバサダーだったブラッド・ピットさんです。

人気のIWCスーパーコピー 代引き専門店ブラッド・ピットさんは腕時計好きとしても有名ですね。

画像

特にアンバサダー契約関係なく、映画の役割で着ける時計ブランドがよく変わりますけど過去にはタグホイヤーともパートナーシップ契約を結んでいました。

格好良過ぎて私はカレラクロノグラフ買っちゃいましたからねw

最近はヴァシュロンコンスタンタンの222をプライベートで着用されてるので、ブライトリングとの契約は終わったのでしょうか。

昨年はまだブライトリング着けてました。

2022年からF1ドライバー ルイス・ハミルトンさんのもと、映画のためのアドバイスを受けていたと言うブラットピットさん。現役復帰するオッサンドライバー役だとか。

トップガン マーヴェリックの監督で雰囲気も似た映画になるかも知れません。

相棒はダムソン・イドリスさん。

IWCとルイス・ハミルトンさんのパートナーシップ10周年パーティーでIWCを着用されています。

どっちかのAMGクロノグラフでした。

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2024年7月2日:IWCシャフハウゼンは、 ジョセフ・コジンスキーが監督し、ジェリー・ブラッカイマー・フィルムズ、プランBエンターテインメント、7度のF1 世界チャンピオンに輝いたルイス・ハミルトンのドーン・アポロ・フィルムズが制作する、Apple Original Filmsの待望のフォーミュラ・ワンレース映画とのパートナーシップを発表できることを嬉しく思います。映画では、IWCが架空のAPX GPチームのスポンサーとして登場します。IWCのパイロット・ウォッチ・コレクションから厳選されたモデルが、さまざまなキャラクターの手首に着用されます。映画は、今週末シルバーストーンで開催されるイギリスグランプリ™など、実際のグランプリレースの会場内やその周辺で撮影されます。

劇中IWCの腕時計が多数登場するそうですし、限定モデルも期待できますね。

映画『アクアマン』でも限定モデルが劇中で着用されてましたし、F1でブラッドピットさんがイカしたクロノグラフを着けてたら売れそうです。

光るCERALUMEケースか、一押しのセラタニウムで特別な文字盤デザインが良いな~。

激渋ですね。

映画は来年公開です。

それではまた!

オーデマ ピゲ 38㎜径の新作モデルは、個性的なダイヤルカラーでこそ華やぐ。

オーデマ ピゲ(以下CODE 11.59)という意味深な名称は、Challenge(挑戦)、Own(継承)、Dare(追求心)、Evolve(進化)の頭文字を連ねた言葉であり、さらにはオーデマ ピゲの規範(コード)を継承するという意味も込められる。そして「11.59」とは、新しい日が始まる1分前を意味している。

ユーザーの創造力を掻き立てるCODE 11.59は、デビュー当時からカラーダイヤルの開発に力を入れてきた。なかでも昨年から登場した38㎜径モデルは、ピンクゴールド×ダイヤルカラーの組み合わせで華やかな色気を放つ。女性だけでなく男性も楽しめるユニセックスモデルであり、CODE 11.59の可能性を広げるものだ。今回はライトブルーとナイトブルー、ふたつの新たなカラーコードが追加され、ストラップも文字盤に合わせてパールのような艶のあるシャイニーなアリゲーターストラップが誂えられた。CODE 11.59はローンチ当初、オーデマ ピゲの“クリエイティビティのキャンバス”であると本誌も含めて多くのメディアが伝えたが、誕生から5年で3世代目のデザインへと移りゆく。オーデマ ピゲにとってCODE 11.59は、Sandbox=箱庭のように新世代の時計を試行し続けるフィールドへと進化した。

そもそも人気のオーデマピゲスーパーコピー 代引き専門店は、色彩感覚に富んだブランドだった。ロイヤル オークでは「ナイトブルー、クラウド 50」(黒の色素を数滴加えたラッカーを薄くダイヤルにかけて保護したもの。クラウド<雲>という名は黒の色素をラッカー液に加えた時に現れる雲状の様子から命名)のコードが与えられたブルー文字盤を確立し、さらにその後、時を経てグリーンやイエローのモデルをリリース。時計を色で遊ぶというスタイルの提唱者となった。またCODE 11.59でも2020年にスモーキーなラッカーダイヤルを完成させるだけでなく、バーガンディやパープルなど独創的なカラーを積極的に取り入れている。こういったカラーダイヤルの充実は、単なるモデルエクステンションではない。理想の色を引き出すには、PVDやラッカーなどの着色に伴う技術において職人の経験に関係するところが大きく、蓄積してきたブランドの表現力を語る部分でもある。

CODE 11.59の表現力は、時計ケースにも表れる。ムーブメントが収まる8角形のミドルケースの上下からラウンドケースで挟み込むため、あらゆる角度から見ても新しい感動がある。また細部への丁寧な磨きを見せるために、ラグを中空構造にしているのも特徴だ。 

この立体的な造形は、彫刻的でもあり建築的でもあるが、そこにも理由がある。オーデマ ピゲは「オーデマ ピゲ コンテンポラリー」という活動を通じて、アートとのコラボレーションも続けてきた。またル・ブラッシュ本社横に2020年に完成した「ミュゼ アトリエ オーデマ ピゲ」は、BIG(ビャルケ・インゲルスグループ)によって、ゼンマイをイメージしたスパイラル状のモダンな建築となっている。オーデマ ピゲは芸術的感性が強いブランドでもあるのだ。

伝統あるスイス時計の世界で、芸術的な視点でクリエーションを生みだす。それがオーデマ ピゲの強みであり、CODE 11.59がそれを端的に示している。

CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ 38mmを見る(ナイトブルー)

エッセイスト・久住あゆみさんに聞く、オーデマ ピゲの魅力
久住あゆみ・東京のエッセイスト。Instagram(@ayumi_kusumi)では、彼女の自然体でありながら上質な日常を垣間見ることができる。ライカをこよなく愛し、Q2やM10などを所有。

私がロイヤル オークを手に入れて、初めてオーデマ ピゲを所有してから感じたことは、これまで手に取った時計と性格が全く違うということ。シンプルでシック、エレガントなのに、同時にラグジュアリーでもある。パッと見てよいものだと分かるし、少し背伸びして手に入れたいと思うようなものでした。時計って、いまの自分を雄弁に語ってしまうものですが、背伸びして手に入れることで自分の着地点を描くものでもあると思うのです。

私は時計のことはアクセサリーのひとつだと捉えていて、ジュエリーと同様に洋服との合わせを考えて身につけています。つける日もあればつけない日もあって、実用品ではないからこその自由さも気に入っているポイントのひとつです。ロイヤル オークをつけるときにはいつもクールビューティな女性像を想像。例えばタチアナ・パティッツのように硬質なひんやりとした魅力をイメージして、サテンのシンプルなストラップドレスやシルクのシャツと合わせる姿が明確に浮かびました。時計自体を目立たせたいから、他のブレスレットはつけずに、エタニティリングとプラチナのリングを少し重ねて、ひと粒のダイヤのピアスをつける程度にして。この時計に関しては、50年前の感覚でのスポーティだからこそ、現在もエレガントなイメージを受けるのだと思います。まさに、ラルフ・ローレンがかつて描いたような世界観で、現代で言う“カジュアルなスポーティ”とは意味が違います。

50年前にステンレススティールをラグジュアリーなものとするという考えをいち早く実行した、自由で恐れを知らない精神はいまでもオーデマ ピゲというブランドに宿っているし、身につける人にも与えてくれると感じています。今回のCODE 11.59にはまだ確立されたイメージを私は抱いていませんが、他の時計に似ていない、新しいチャレンジをしているという点で、オーデマ ピゲの姿勢が変わっていないのだと想像させます。このナイトブルーは私の所有するロイヤル オークのように、インクのような濃いネイビーが素敵。私が元々大好きな色で、青やネイビーという色はつくられた国の空の色から影響を受けている、というお話も好きなのです。このナイトブルーとピンクゴールドケースとのコンビネーションは、アジア人にはとても似合いそう。ライトブルーの方はヨーロッパの方の肌や髪の色により似合いそうな雰囲気ですが、いずれもあたたかな上品さを感じます。

CODE 11.59という時計はドレスでもスポーツでもないという存在ですが、であれば自然と日常に馴染みそうな時計だと思います。オンとオフのあいだをうまく繋いでくれて、自分の気分がどちらにも振り切れていない多くの日に、つい手にとってしまいそうな存在。自分のなかの違う側面を知るような、CODE 11.59に馴染む過程で自分のことも発見するような、そんな生活が想像できます。

文字盤に宿されたパターンによるムード

伝統的に好まれるダイヤル装飾に、ギヨシェがある。これは金属板に刃物を押し当てて一筋ずつ彫り込んでいく技法で、幾何学的な模様が得意だ。繊細なテクスチャーで光の反射をおさえて針の視認性を高めるのが第一の用途だが、その表現力で時計に個性を加える目的もある。しかし多くのブランドで使われるギヨシェマシンは100年以上前の機械を使っているため、表現力に限界があるのも事実だ。

そこでオーデマ ピゲがCODE 11.59に取り入れたのは、スタンプ加工という方式だった。これは職人が精密に彫り込んだ金型をベースとし、金属板に高圧力で押し当てることで微細な凹凸を表現するというもの。同心円状に凹凸を作り、内側になるほどそれが細かくなっていくようにデザインしており、その凹凸の違いによって光の反射が変化させ、美しい濃淡を広げるのだ。

特に鮮やかなカラーほど濃淡の効果が強まるので、38㎜径のCODE 11.59には最適。腕元のアクセントとしてこの上ない効果を発揮してくれるだろう。

ここ数年続いている時計のダウンサイジングのトレンドがあるが、伴って進んでいるのがジェンダーレス化だ。かつてはメンズウォッチ/レディスウォッチが明確に分かれていたが、近年はサイズのバリエーションが広がったことで、個々が好みのサイズの時計を選ぶというのが主流になっている(レディスウォッチとして位置づけられてきたサイズの時計が、必ずしもクォーツモデルでなくなったことも関係がある)。またダイヤルカラーの選択肢も広がり、ポップで華やかなカラーを男性が選ぶことも珍しいことではなくなりつつある。

CODE 11.59は、2019年のデビュー以来、素材や表現、サイズなどで進化を遂げており、まさにジェンダーレス化する時計界の最先端にあると言えるだろう。

オーデマ ピゲは時代を作ってきた時計ブランドだ。世界初のトゥールビヨン搭載腕時計やラグジュアリースポーツウォッチの草分けであるロイヤル オークがその後の時計の在り方を示したが、CODE 11.59はまた違ったやり方で時計界に新しい風を送り込んでいる。手元に華やぎを与える―それも伝統に裏打ちされた、オーデマ ピゲにしかできないアプローチで―その目的のために、CODE 11.59は一層華やぐのだ。

チューダーはデビッド・ベッカム(David Beckham)が所属するサッカークラブ、

チューダーのアンバサダーは、このエクスパンションチームの創設と、その特徴的でわかりやすい配色であるピンクの選定に携わっている。月曜日にパートナーシップが発表された際、我々の誰も時計が登場するとは思っていなかった。しかし24時間後の今、我々は新しいクロノグラフを見ている。チューダー ブラックベイ クロノ “ピンク”だ。

Tudor
さて、チューダー時計コピー Nランク 代金引換この時計はインテル・マイアミとのパートナーシップに対する論理的なフォローアップのように見えるが、それは単にサッカー…またはフットボール(またはフトボル)に関することだけではない。チューダーのもうひとりの代表的なアンバサダーである、台湾のミュージシャン周 杰倫(ジェイ・チョウ)もピンクカラーを愛し、身につけていると知られているため、この新しい時計はチューダーのふたつの世界的な顔からインスピレーションを得たコラボレーションのようである。

我々が手にしたのは、41mmのスティールケース、ふたつのインダイヤルディスプレイ、6時位置の日付窓、ねじ込み式プッシャー、スノーフレーク針、COSC認定のCal.MT5813など、(ある意味)スタンダードなブラックベイ クロノである。BBクロノを知っていれば、どんなものかは基本的にわかるだろう。

もちろん、簡単に見落とされてしまう(あるいは製品ラインにすでに存在していると思われている)、些細なディテールを除いての話だ。それはもちろん、ブランドが昨年のWatches & Wondersで発表したばかりの、5連リンクのブレスレットである。これは明らかにロレックスのジュビリーブレスレットからインスピレーションを得ており、クラスプにはチューダーの“T-fit”アジャスティングシステムを備えている。

Tudor Beckham
そうそう、その名前と写真だけでは十分かもしれないが、この時計はピンクダイヤルなのだ。これはドーム状のピンクの表面に、コントラストの強いブラックサブレジスターを配した、“ピンクパンダ”ダイヤルと言えるだろう。深度表示の赤いテキストとクロノグラフ秒針の先端は、全体の外観をさらに引き立てている。そして、私は5連リンクの組み合わせが大好きで、このブレスレットスタイルが全製品ラインに導入されるべきだと思っている。BBクロノは41mm径のサイズにもかかわらず、手首に装着すると大きく感じさせるのだが、このブレスレットスタイルは軽快さをもたらしてくれる。この新モデルの価格は79万2000円(税込)である。

Tudor
チューダーはプレスリリースのなかで、ピンクダイヤルの時計が必ずしも万人に好まれるとは限らないと承知していると述べている。そのため、本モデルは通常の生産ラインとしてカタログに掲載されていない。事実、我々が思うに実際カタログに掲載されることはないだろう。その代わり生産数は限定され、少量生産となる(正確な数字は現時点では不明)。実際、私はブラックバッククロノピンクが、特に限定であることを考慮すれば、時計界の片隅で注目の的となるのではないかと考えている。

Tudor Jay Chou
これまで保守的でヴィンテージ風に偏りがちだったモデル群を、派手で個性的に表現したのは確かだが、このピンクダイヤルはBBクロノに本物の楽しさを注入していると思う。そしてW&W 2024まであと2週間を切った今、この新モデルがリリースされたという事実に、私はとても驚いている。

むしろ、4月9日にチューダーから何が出て来るのか、さらに楽しみになってきた。

Tudor
チューダー ブラックベイ クロノ “ピンク”。ポリッシュ仕上げとサテン仕上げを施した316Lステンレススティール製ケース、41mm径。316Lステンレススティール製固定ベゼル、ブラックアルマイト仕上げのアルミニウム製インサートとタキメータースケール。ピンクのドーム型文字盤にブラックカウンター。自社製Cal.MT5813、COSC認定、パワーリザーブ約70時間。

カルティエのタンクは腕時計における金字塔だが、

多くのブランドが持つ名作を見渡してみても、歴史的にこれほど多くのモデルを発表した単一コレクションはないだろう。中でも特別な時計を例に、その背景に迫りたい。

カルティエの「タンク」という時計は、同じようでいて微妙に異なったディテールを持つ一大シリーズである。ご存知のように、タンクは三代目当主であったルイ・カルティエが1917年にデザインし、1919年に発表されたもので、第一次世界大戦中のソンムの戦いでイギリス軍によって導入された、フランスのルノー製軽戦車FT-17から着想を得て誕生した。戦場で活躍する戦車の力強さと直線的なフォルムを時計デザインに取り入れたことは、ラウンドタイプの時計が主流だった当時、非常に革新的であった。

 タンクが多くのバリエーションを持つに至るのには大きく分けて、1、ルイ・カルティエ 2、カルティエが金属加工に長けたジュエラーであった 3、エドモンド・ジャガーとルクルト社、という3つの理由があるだろう。時代を超えたエレガンスと革新性を象徴するアイコンが生み出されたこれらの理由を、以下、歴史的な6つの主要モデルとその背景とともに読み解いていく。

その前に… コノサーズトーク最新エピソードを公開! 俳優・賀来賢人さんとタンクの魅力を語る

人気御礼、動画企画「コノサーズトーク」の第4弾は、カルティエスーパーコピー代金引換激安通販優良店の愛好家でも知られる賀来賢人さんが登場! おなじみのクロノス日本版編集長・広田雅将氏も加えて、「タンク」をテーマにそのアイコニックな魅力に迫っています。賀来さん愛用のタンクもお披露目!

コノサーズトークを視聴する

 
1919年 タンク ノルマル

カルティエ プリヴェ タンク ノルマル(2023年、コレクター私物)。

 最初のタンクは1919年に登場し、戦車の直線的なフォルムをケースとストラップに反映させた。意外性がありメッセージ性も伴ったデザインは上流階級や将校たちに愛されたとされ、時代を象徴するスタイルとして定着。ブランカード(仏語で担架の意)と呼ばれる縦枠を強調した直線のケースが、そのままブレスレットへと続く独創的なデザインが、この時計を他にはない特別な存在にした。

 一方でジュエラーらしい装飾として、リューズ先端に配されたカボションもまたカルティエが発明したもの。当時はケースの素材に関わらずサファイアを用いることが多かったようだが、のちにPTケースには赤いルビーが選ばれるようになり、ミニマルななかに特別な意匠を与えることにも成功する。

 さて、タンクがタイムレスな存在になる最大の要因ともいえる、ルイ・カルティエという人物についても触れたい。彼はサントスやトノーなどを生み出した後、191o年代からの潮流であるアールデコに傾倒しこれをタンクで牽引することになる。その背景には、ルイ・カルティエが常に時代の先端に敏感な人物であり、例えば自動車や飛行機などの新しいテクノロジー、ピカソ作『アヴィニョンの娘たち』に代表されるキュビズム、さらにオーギュスト・ペレが提唱した「装飾のないスタイル」を持つ建築物などに強い関心を寄せていたようだ。1913年に落成されたシャンゼリゼ劇場はペレの代表的な建築物でありアールデコの先駆けだが、1917年にルイ・カルティエが発想するタンクも近しい世界観を内包している。

 タンク ノルマルは永遠のクラシックだが、常に未来を見つめるルイ・カルティエによって、変化を厭わない性格を備えた時計であることが誕生時点で決定づけられたのではないだろうか。

1921年 タンク サントレ

タンク サントレ(2023年)。

 タンク サントレは1921年に登場し、ブランカードをさらに縦に伸ばした長方形の形状が特徴。フランス語で「傾ける」を意味する「サントレ」という名の通り、微妙にカーブしたケースを採用したことで、シンメトリカルかつ優雅なフォルムをさらに強調した。本機はアールデコの美学に呼応するものとして、モダニズムを代表するデザインとなった。

 ケースを湾曲させるという発想は、手首により沿わせて着用感を高めることに由来する。まだ腕時計というもの自体が一般的ではなかったため、いかにしてそれを定着させるか試行錯誤された産物だったという一端もあるだろう。実際、ルイ・カルティエは1906年発表のトノーでも同じようなアプローチを試みている。タンク ノルマルではブランカードから直線的に伸びるスタイルを特徴づけたが、タンク サントレでは手首の形状に同調するようにラグの端からストラップへと流麗に流れる円のようなラインを強調した。これは、タンクがもたらした機能的なラグが大きく寄与している。当時の一般的なラウンドタイプのケースは、ワイヤー型のラグを溶接して取り付けることも多く前時代的なものだった。初代タンクでは四角いケースの端にラグを溶接する方法をとったが、このタンク サントレではラグまで一体型でケースが美しいカーブを描く。これは、カルティエが鋳造や溶接、切削といった技術を巧みに操り、当時最善と思われる手法を選ぶことができた賜物である。デザイン的に優れているだけでなく、高い着用感をも非常に合理的にかなえている。

 なお、タンク サントレでは1924年に初めてのプラチナモデルが登場する。プラチナは1860年代にカルティエが初めてジュエリーに用いた素材であり、1900年代前半の時計製造においても他ではあまり見られない特別なものとして、カルティエウォッチのモダンさを強調していた。

1922年 タンク ルイ カルティエ

タンク ルイ カルティエ (SM) Ref.CRWGTA0010 184万8000円(税込)
手巻き、Cal.1917 MC。18KPGケース、29.5×22.0mm、厚さ6.8mm。日常生活防水。

 1922年には自身の名を冠したタンク ルイ カルティエが登場。タンク ノルマルと比べるとより細身でエレガントなシルエットを特徴とする。具体的には、ラグ部分に丸みをもたせて控えめでありながら、全体をポリッシュ仕上げとしたことで高級感を与えた。しかしながらこの時計は、タンク ノルマルでもタンク サントレでもない、いわばその中間の王道的シェイプをようやく備えるに至った時計であるようにも見える。タンク サントレはその後、現代に至るまでの生産数を見ても決して大量生産に向くものではなかったし、いくつかのサイズをラインナップするという意味でもよりジェネラルなものをカルティエが志向したとしても不思議はないだろう。

 なお、ケースシェイプの特徴としては、ブランカードをより細く仕上げて幾何学的でありながらタンク ノルマルよりもアクのないものとされた。これがのちに万人に愛されるタンクの代表格となるのだが、当時のタンク ルイ カルティエは、7〜9リーニュのキャリバーを搭載し、サイズバリエーションも豊富に提案された。これは、当時女性のあいだで時計を身につけることが定着しつつあったことが関係しているとされる。これは現代にまで受け継がれ、SMとLMに加えてミニサイズが今年復活している。

 こうした展開を可能にしたのは、カルティエが時計製造を始めて間もなく協業した時計師エドモンド・ジャガーとルクルト社の貢献が大きい。ルイ・カルティエがまずデザインからはじめ、それに見合うサイズのムーブメントをジャガーが開発、それを製造するルクルト社があってタンクという時計が豊富なサイズを揃えるに至った。当時エドモンド・ジャガーがパリに工房を開いていたことがルイ・カルティエとの出会いを生み、スイスのル・サンティエで操業していたルクルト社とすでに協業していたことも、タンク誕生の後押しになっていただろう。

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【最初期のタンク バリエーション】
 ルイ・カルティエの時計への情熱は、初代タンクからタンク ルイ カルティエの確立を経てますます高まることになる。特に、1928年に登場したタンク ア ギシェはタンクのスタイルに変化をもたらした最初の時計とされる。本機は当時流行していたデジタルの時刻表示を取り入れ、時計の機能性を強調した。これは1920年代にフランスでも鉄道が発達し、その運行に正確な時計が必要とされた時代背景も影響したと考えられている。もちろん、ア ギシェをつけて鉄道に乗るのは一部の富裕層だけだったと想像され、この時計自体もごく少数だけが生産された。1997年にPTモデルが150本、2005年にCPCP(コレクション プリヴェ カルティエ パリ)としてPGモデルが100本復刻されているが、これらはリューズが3時位置に改められている。

 その後も、富裕層のスポーツシーンでの需要に応えて生まれたケースが縦方向に360°回転するタンク バスキュラントや、ブランカードをアシンメトリーにずらして平行四辺形のデザインを用いたロザンジュ(のちのタンク アシメトリック)など、コレクタブルピースを多数産出。ただし、今からするとタンクというシリーズを豊かに彩っているように見えるこの時計たちは、試行錯誤の時代の産物でもあった。1929年、アメリカに端を発する世界恐慌によって、1930年代のカルティエ ウォッチは生産数が激減、その時代をなんとか切り抜けようとデザインのうえでもタンクの進化が図られたと考えられている。

【ルイ・カルティエ後のタンクたち】
 ルイ・カルティエ自身は1942年にこの世を去ることになるが、1930年代までに彼の手腕によってタンクが持つアイデンティティと、様々にシェイプを変える独創性が確立された。その後は、時代の空気を纏いながらベースとなるタンクに新たな解釈を加えた時計が生み出されることになる。タンク レクタングルは、1950年ごろにパリで流行していたシルエットを表現し、"厚みのあるモデル"と呼称される。

 この時期、特に大きな変革をもたらしたのは、20世紀初頭にニューヨークとともに支店が展開されていたカルティエ ロンドン。1960年代には好景気に沸き、ポップカルチャーが花開いた「スウィンギング・ロンドン」と呼ばれる時代に突入、カルティエ ロンドンもその流れのなかで有名なクラッシュ、マキシ オーバル、ペブルなどまさに「フォルムのウォッチメイカー」の面目躍如といったデザインを生み出す。タンクにおいてもそれは試みられ、タンク オブリークは初代タンク アシメトリックが備えていた3本脚のラグから"鷲の嘴(くちばし)"と呼ばれる中央のラグを廃した。それは2020年に、カルティエ プリヴェとして復活も果たしている。

 一方でタンク アロンジェに見られるように、文字盤上にも大きな変化があったのがカルティエ ロンドンによる創作だ。ローマ数字のインデックスとレイルウェイはタンクのみならずカルティエのデザイン言語だが、そのレイルウェイをなくしインデックスは極端に伸ばされた時計が生み出される。この伸びたローマ数字を用いた意匠は、この時代のカルティエ ロンドンを代表するものとも言える。

 しかしながら、タンクに限って言うと完全に新たなデザインは1996年のタンク フランセーズ登場まで待つ必要がある。

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【新世代のタンクへ】
1977年 マスト ドゥ カルティエ(タンク マスト)

タンク マスト SM Ref.CRWSTA0071 51万7000円(税込)

クォーツ。SSケース、29.5×22.0mm、厚さ6.6mm。日常生活防水。

 1970年代にカルティエはレ マスト(Les Must)シリーズを発表し、その一環として1977年にマスト ドゥ カルティエが登場。本稿では詳細は割愛するが、カルティエが創業家から離れてようやく安定した経営陣のもとに落ち着いたのちに発表されたコレクションである。これは、一時粗悪なタンクがアメリカ市場を中心に出回った汚名を晴らすため、またカルティエを代表するデザインを手の届きやすい価格帯で提供することを目指し、時代を席巻していたクォーツを用いつつ、多彩なカラーで展開された。当時のマスト タンクは、シルバーに1.5ミクロン以上の厚い金メッキ(通常のメッキは0.1ミクロン程度。マスト タンクは20ミクロンのコーティングがされていた)を施したゴールドカラーのケースと、単色でミニマルなラッカー文字盤が特徴(ベーシックなローマ数字とレイルウェイを備えてたモデルももちろん存在)。そして何より、アイコンであるタンク ルイ カルティエのケースデザインを用いたことが新時代のカルティエを象徴した。これが当時500ドル程度で販売され、まさに「マスト」の名の通り誰もが持つべき時計として人気が高まり、カルティエファンの裾野を広げるモデルとなった。

 細部にまでカルティエらしいデザイン言語が浸透したマスト タンクは、多くのセレブリティにも愛されることになる。アンディ・ウォーホルやイヴ・サンローランらが、タンクを腕に有名なポートレートに写った姿は一度は目にしたことがあるはずだ。こうした事実もタンクの急拡大に寄与した。

 ロベール・オック、ドミニク・ペランら新時代のカルティエを牽引する経営陣が推し進めたのは、デザインの共通化である。1960年代以前、多品種少量生産というまさにラグジュアリーメゾンらしい製造体制をとっていたカルティエだが、限られた富裕層だけに留まらずより多くのエレガントな人に質の高いものを届けるため、タンクを軸としてデザインを統合し、時代のニーズを捉えていった。

1989年 タンク アメリカン

タンク アメリカン(LM) Ref.CRWGTA0134 265万3200円(税込)

自動巻き、Cal.1899 MC。18KPGケース、44.4×24.4mm、厚さ8.6mm。日常生活防水。

 タンク マストで成功を収めたカルティエは、かつてのクリエイティビティを再び表現するかのように現代的なデザインを創作することになる。1989年には進出後80周年を迎えたアメリカ市場向けに、タンク サントレを源流とするデザインを与えたタンク アメリカンを発表。縦長のシェイプを備えたケースはまさにサントレを思わせるが、当時の大型ウォッチのニーズを捉えて、ブランカードはより太く、ケース自体も厚くデザインされた。なお、ケースバックはサントレと異なりフラットな裏蓋を採用。これによって防水性も獲得しており、実用性も高められた。これは現代のモデルでも同様である。

 タンク アメリカンは当初18KYGモデルで発表されたが、その後、18KWGやPT、SSケースを採用してコレクションの幅を拡大。タンクといえば手巻き、1970年代以降はクォーツでシンプルな2針が主流だったが、日付表示を備えた自動巻きモデルやクロノグラフや第二時間帯表示を備えたモデルまで多彩なラインナップを揃えた初のシリーズとなる。


1996年 タンク フランセーズ

タンク フランセーズ(LM) Ref.CRWSTA0067 90万2000円(税込)

自動巻き、Cal.1853。SSケース、36.7×30.5mm、厚さ10.1mm。日常生活防水。

 タンク フランセーズは1996年に登場。過去の傑作に大胆なアレンジを加え、タンクでありながら新しいコンセプトとデザインを備えた時計として誕生した。カルティエが復権後、全く新しいデザインをタンクに与えたのはタンク フランセーズが初めてである。そのコンセプトとは、ケースとブレスレットを一体化させた金属ブレスレットを採用したこと。従来のタンクのデザインを現代風にアレンジしながら、同時に軽快に着用できるブレスレットウォッチの需要を確実に満たす役割を帯びていた。

 この時計がユニークなのは、まずブレスレットがデザインされ、それに時計本体が合わせられたこと。ジュエラーとしてのカルティエの側面が発揮され、ジュエリーのように身につけられるブレスレットがまず創作されたのだ。タンクは元来、装飾品としてのキャラクターも持ち合わせていたが、それはあくまで上流階級にとってのもの。現代的なアクセサリーという意味ではブレスレットタイプのものがより適しており、なおかつ市場にはエレガントなブレスレットウォッチがまだ存在していなかったのだ。カルティエはタンク フランセーズでそれを席巻し、多彩なサイズ、素材のバリエーションを展開したことで世界中の女性から支持を得ることになる。

 なお、2023年にタンク フランセーズはリニューアルされており、1996年発表のものをさらにモダンにアップデートした。初代フランセーズは全体にポリッシュ仕上げで高級感を強調していたのに対し、現行モデルではサテン仕上げをベースに。より日常使いのしやすい意匠が与えられた。最大のアイデンティティであるブレスレットは、ケースとの一体感をさらに高め、エンドリンクがまるでケースの一部であるような洗練されたデザインに改められている。ローマ数字とレイルウェイというカルティエの規範は堅持されているものの、インデックスはアプライドされ、サイズによってグレー、ホワイトなど色を使い分けることで女性のみならず男性にも魅力的な時計となった。


ジュエリーと華麗な融合を果たした2000年代のタンクを紹介
 タンクのデザインとしての拡張性を探ってきたが、最後に現代のカルティエの創造力を最大限に発揮したカルティエ リーブルにおけるタンクも見ていきたい。カルティエ リーブルとは、往年の名作ウォッチに範を取ったカルティエ プリヴェと双璧をなすウォッチコレクションで、主にジュエリーウォッチを指す。タンクやベニュワールにクラッシュ、近年ではペブル シェイプウォッチなどを題材として、独創的な形状に巧みなジェムセッティングを施した麗しい時計を生み出している。

 以下の2本は、1960年代にカルティエ ロンドンが製作した歴史的モデルから着想したデザイン言語が用いられている。つまり、クラッシュに代表される有機的なケースシェイプをもたせたタンクたちなのである。先述したように、1970年代にカルティエはデザイン統合を行っていることもあり、1936年のロザンジュ(タンク アシメトリック)以来、特にタンクにはこうしたデザインを与えられることはなかった。

 タンク クラッシュとタンク フォルはそれぞれ、タンク サントレ(アメリカン)、タンク ルイ カルティエというカルティエの絶対的アイコンをベースにデフォルメ。タンク クラッシュは文字盤をズラして重ね合わせたようなデザインで、タンクの特徴であるブランカードが上からはめ込まれている。タンク フォルはまさにタンク版のクラッシュで、戦車が横から追突されたような形状がユニークだ。文字盤のローマ数字、レイルウェイまで歪ませる徹底ぶりで、僕はこの時計を見るたびに密かな喜びを感じる。ジュエリーウォッチであるため基本的には女性用に作られているはずだが、その出自から現代では男性でも食指が動く人も多いだろう。タンク フォルは手巻き時計でもある。

 ジュエラーとウォッチメーカーとしての融合が端的に表現されたカルティエ リーブルは、タンクですら全く別ベクトルのデザインの可能性を示し、かつてルイ・カルティエが新たなクリエイションを止めなかったその姿勢を現代に伝えているようにも感じられるのだ。

特別なパテック フィリップをめぐる激しい所有権争いにおいて、

本日スイスの最高裁判所は、イタリアの時計ディーラー兼コレクターがジョン・レノン(John Lennon)のパテック フィリップ Ref.2499の所有権を主張した控訴を棄却した。この時計は以前に本サイトでも取り上げたように(こちらを参照して欲しい)、レノンの妻であるオノ・ヨーコ(Yoko Ono)氏から40歳の誕生日祝いとして贈られたものである。今回の裁判により、この時計は再びオノ氏の所有物として合法的に認められた。イタリアのディーラーには速やかに時計を返還するよう命じられており、この判決は最終的なものとなる。これにより長年にわたる時計をめぐる法的争いが終結することとなった。この時計は、かつてオノ氏の元から盗まれていたものだった。

2499 patek
ジョン・レノンの口コミ第1位のパテックフィリップスーパーコピー 代引き Ref.2499がもし売却されたならば、世界で最も高価な時計となる可能性が高い。この時計の歴史は複雑で長いが、多くの時計愛好家がひと目見たいと願う真の“聖杯”としての価値を有している。レノンのRef.2499がジュネーブの金庫に保管されているという噂は時計業界の内輪で長年ささやかれていたが、ほとんど伝説と化していた。昨年そのニュースが報じられ、ジェイ・フィールデン(Jay Fielden)氏がニューヨーカー誌で詳細に取り上げた。

本日のこの出来事がこの物語の最新章であると同時に、物語の終盤に向かう一章となることを願う。現時点では、レノンのRef.2499が公に記録的な価格で売却されるかどうかは重要ではない。より重要なのはこの時計が間もなくオノ・ヨーコ氏の元に戻り、彼女が正当にその処遇を決定できることである。私が彼女に望むのは、この時計に関する高画質な写真と、できれば展示会の開催だ。この時計を見るためなら、どこへでも足を運ぶつもりであるが、同じ思いの人はほかにも多いだろう。

渦中のイタリア人時計ディーラー・コレクターについてはどうだろう? マウリツィオ・デ・シモーネ(Maurizio de Simone)氏の息子であるジュリアン・デ・シモーネ(Julian de Simone)氏は、本日Instagramアカウント(@watchesinrome)に動画を投稿した。そのなかで自身と父親が法的文書で“Mr. A”と記載されたイタリア人コレクターであることを公式に認めた。「この件に関して飛び交っている噂や誤った情報を正すため、私たちはこの事件の真実を共有する準備ができています」と、デ・シモーネ氏は述べた。投稿には、近日中に全貌を明らかにすることが約束されている。

さらなる展開については引き続き注目されたい。

追記:ジュリアン・デ・シモーネ氏はYouTubeに“パート1”と題した動画を公開し、2014年1月に父親がこの時計を60万ユーロで購入して以来の歴史について自身の視点を語った。これはデ・シモーネ氏による物語である。この動画は誰でも視聴可能だが、先述の私の願いは叶えられた。動画にはこの時計の新しい写真が含まれており、見事な状態であることが確認できる。動画によると時計を購入した直後、デ・シモーネ氏はクリスティーズに連絡を取り、この時計の出自を確認するためオノ・ヨーコ氏との接触を求めたという。これまでの情報では“Mr.A”が時計をクリスティーズに持ち込み、売却を意図していたと考えられていた。しかしいずれにせよ、このクリスティーズ ジュネーブの訪問とオノ氏との接触が法廷闘争の発端となったのである。

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